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ヘッダー

史上最高の強肩

2022年5月28日

ノーラン・ライアンの豪速球に驚かされた1979年のオールスターゲームですが、終盤私をさらに驚愕させるプレーが飛び出しました。右翼手デイヴ・パーカー(パイレーツ)の強肩です。1点リードの8回裏、同点の走者をセカンドに置いて打席には長距離打者のグレイグ・ネトルズ。パーカーはウォーニングトラック近くというかなり深い守備位置にいました。ネトルズの打球は一塁手の頭上を抜ける痛烈なラインドライブ。ライト線に向かいながらワンバウンドでキャッチしたパーカーは矢庭に本塁へ送球すると、弾丸ライナーのようにゲイリー・カーターのミットに収まり見事刺したのです。当時の日本球界では広島のジム・ライトルがナンバーワンの強肩外野手だったと思いますが、あんなに深いところからノーバウンドの返球なんて見たことなかった!開いた口が塞がらないとはこのことです。

当時パーカーは私が最も好きな野手でした。どこのメーカーか忘れましたが野球用品のTVcmに出ていたんですよ。冒頭で力こぶを作って見せて豪快なスイングで終わるというものでした。2年連続の首位打者でありMVPも獲ってすでにスーパースターでした。『週刊ベースボール』における対談「ミスター80年代は誰か?」でも本命中の本命に推されていました。ただその強肩を目の当たりにしたのはこれが初めてだったのです。

前回投手の平均球速は格段に上がったと書きました。選手の身体能力は明らかに進化していますが、唯一昔日と比べて劣ると感じるのが外野手の肩なんですよ。パーカーはじめエリス・ヴァレンタイン、アンドレ・ドーソン、ドワイト・エヴァンス、レジー・スミス、デイヴ・ウィンフィールドなど現役選手の誰にも負けないほどの強肩がゴロゴロいました。

4,5年前スポーツサイト『bleader report』が「野球史上で最高に肩の持ち主である外野手TOP40」を発表しました。1位は鉄板のロベルト・クレメンテでしたが、イチロー選手が4位タイに入っていて?と思いました。もちろん現役では最強クラスで議論の余地はないですが… ランキングをつぶさに見ていくと「ははあ、これは捕球してからリリースまでの速さや送球の正確さが考慮されているな」と気付いたのです。そこで私はあくまで「強い送球をより遠くまで投げられる」という面に特化したランキングを作ってみます。なおクレメンテはリアルタイムで見ていませんがトップから外せません。古今のメジャーリーガーを知る識者が異口同音「史上最高」と評していますし、パンチョ伊東さんもパーカーの全盛期にやはり『週刊ベースボール』の対談で「現在強肩と言われている選手たちの比ではない」と断言していました。残された僅かな映像でもその破格さの片鱗は窺えるので、クレメンテは例外として他の見ていない選手は除外しました。


1 ロベルト・クレメンテ

2 エリス・ヴァレンタイン

3 ジェシー・バーフィールド

4 アンドレ・ドーソン

5 デイヴ・パーカー

6 ボー・ジャクソン

7 ドワイト・エヴァンス

8 レジー・スミス

9 ラリー・ウォーカー

10 デイヴ・ウィンフィールド

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Posted by hiro