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ヘッダー

クレメンス対グッデン

2022年5月26日

ドワイト・グッデンに僅かに遅れてブレークしたのがロジャー・クレメンス(レッドソックス)です。テキサス大を全米選手権で優勝に導いた彼は、俳優ロバート・レッドフォード似のルックスも相まってグッデン同様将来を嘱望される若手でしたが、肩の故障で足踏みします。しかし1986年4月に9イニング20奪三振のメジャー記録を打ち立てると、先行していたグッデンを急速に追い上げていくことになります。

そんな二人が初めて対戦したのがその年のオールスターゲームでした。今後のMLBを背負って立つであろう速球投手の対決は全米の注目を集めました。アストロドームのカメラアングルはこの対決には絶好で、二人の球筋の違いがよくわかります。解説の堀内恒夫さんは「グッデンは軽く放って速い。クレメンスは力が入って速い」と評していましたが、まあそんなところでしょうか。
グッデンはスピンの効いた回転数の多い快速球が伸びてホップし、バットの上を通過するというイメージ。かたやクレメンスは「ロケット」の異名よろしくリリースの瞬間から速く、重い剛球がミットに突き刺さる感じです。
1回裏終了後のインターバルで二人が放った速球のうちグッデンは8球、クレメンスは11球が95マイル以上とのテロップが出ました。そんなデータが出るのは初めて見たので改めて注目度の高さを感じましたねえ。パンチョ伊東さんも「これはすごい投げ合いですよー」と興奮してました。因みに録画していたので後で見返したところ、初回の投球での速球は二人とも11球でした。つまり全22球のうち19が95マイル以上!今ではそう珍しくないかもしれないですが、当時のファンを痺れさせるには十分すぎるほどだったのです(最高球速はアナウンスされませんでした)

二人とも2イニング投げて奪三振も2。グッデンがルー・ウィテカーにカーブをスタンドまで運ばれ軍配はクレメンスに上がりました。何かその後のキャリアを暗示しているかのような結果です。グッデンは薬物使用で凋落しクレメンスは7度サイヤングを受賞するなど即殿堂入りして当然の偉大な記録を残します。

クレメンスというとビーンボールでも有名ですよね。でもこの頃はそんな印象はなかったですよ。使わなくても打たれなかったのでしょう。ただヤンキース時代になるとあからさまに頭を狙った投球が頻繁にあって嫌いでしたね。逃げずに真っ向勝負するのと頭を狙うのとは全く別物ですから。引退と復帰を繰り返すのもちょっとねえ。

未だに殿堂入りできないのはグッデンとは違った意味での薬物疑惑のせい。完全に黒判定されているということでしょう。フレッシュで颯爽としていたヤングスターが今では揃ってダーティーヒーロー… 皮肉なものです。人生ってどう転ぶか本当にわかりません。

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Posted by hiro