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1977年F1日本グランプリ

2022年5月29日

私は一度だけF1を見に行ったことがあります。それが1977年富士スピードウェイでのレース。まだ中学生で、なんと同い年の友達と二人で行ったのです。今考えるとよく親が許してくれたものです。まあ互いの親同士「あの子とだったら大丈夫だろう」という信用があったんでしょうかね。その友達は小学校時代の同級生で、スポーツ万能で頭もよくクラスのリーダー的存在でした。卒業前に転校してしまったのですが、仲が良かったのです(アメリカンフットボール好きの友達とは別人) 何をどう乗り継いで行ったのか全く覚えていないので、彼に任せていたんだと思います。

サーキットに着くとまず感じるのは、ガソリンとオイルの臭い。これがいいんですよね。良悪両方の意味で酔ってしまいそうで… 次にどこで見るかを相談したのですが、大した理由もなくメインスタンド手前の芝生、つまり最終コーナーを立ち上がって5~600m当たりのところに陣取りました。今だったらそんなところで見ないですが、かなり歩いたのでこの辺でいいやと思ったのかもしれないです。

エンジンがかかるとその音がまた凄い。街中を走っている車のものとは桁違いでびっくりしました。あとよく覚えているのがレースがスタートするかなり前だったと思いますが、一台のマシンがホームストレートを逆走してきて私たちの目の前でスピンターンを決めたのです。リジェのジャック・ラフィーでした。2,3回クルクル回った後、元来たほうへ走り去って行きました。「カッケー!!!」と超興奮しましたね。勿論免許を取る遥か前のことですし、一体どうやったらあんなふうになるのかさっぱりわからなかったですから。おそらく何かのチェックをしようとしたついでに思い付きでファンサービスしてくれたのかなあと思います。

レースが始まるとその爆音たるや凄まじすぎて、耳栓を用意しなかったのを後悔しました。特に前述のジャック・ラフィーとジャン・ピエール・ジャリエが駆るリジェのマトラエンジンが飛び抜けて凄い! さすがジェット戦闘機のエンジンを手掛けたメーカーと言うべきか、まさしくジェット機の離陸音と言える金属的な音で、DFVはおろかフェラーリのフラット12さえかき消さてしまうほど。姿が見えずとも音でどこにいるかわかりました。

それからスピード、これも想像を遥かに上回りテレビ中継から感じるものとは次元が違いました。最終コーナーを抜けた立ち上がりはマシンをはっきり視認できるのですが、そこからはあっという間!眼前を通過する時にはおそらく250kmくらいは出ているので当たり前といえば当たり前なんですが、当時は目の当たりにするまで想像できなかったんですね。

レースでは6周目の1コーナーで、ジル・ヴィルヌーヴとロニー・ピーターソンが絡んで観客が死亡する事故が起きるわけですが、位置的に当然見えません。が、煙が上がるのは見えたんです。すぐに消えたので火災が起きてないのはわかりましたが、何かあったなとは思いました。そのうちヘリコプターがその方角に向かうのを見るに及び二人で行ってみることにしたのです。しばし歩いて行くと向こうから何か赤いものをぶら下げたお兄さんがやって来るではありませんか。近づきがてら見てみると、それはフェラーリのカウルの一部!(多分) 二人で顔を見合わせ戻ってきました。何だか怖くなったんでしょうね。

レースはジェイムス・ハントが終始独走、彼のフィニッシュを見届けてからサーキットを後にしました。この時は、彼の優勝がこれで最後になるとは夢にも思わなかったですね。帰路では走り屋だか暴走族だか(まだ区別がつきません)が爆音とともに脇を次々に走り去って行く中、ずいぶん歩きましたがどんな会話をしながらだっかか覚えてません。帰宅はかなり夜が更けてからになりましたが、母は喜んでました。事故のニュースは大々的に報道されていたので、巻き込まれていないか心配だったそうです。

そうそう、バカチョンカメラで疾走するマシンを撮影しようという無謀な試みをしたのですが、当然のことファインダーに収めるのさえ至難の業でうまくいくわけがありません。写っていてもブレまくって何が何だかわからないものばかり… その中で一枚だけハントのマクラーレンを鮮明に捉えたものがあったのです! これぞまさしく奇跡の一枚! 今でもアルバムのページを誇らしく飾っています。

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F1

Posted by hiro