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リック・リーチとカーク・ギブソン

2022年5月30日

トニー・ドーセットの走りに魅了された頃、QBのアイドルはミシガン大のリック・リーチでした。日曜午後に東京12チャンネル(現テレビ東京)で放送されていた『NCAAカレッジフットボール』が初見で、ミシガン大の紺と黄色のチームカラーとヘルメットデザイン、珍しいサウスポーというのが目を引いたのです。

当時のカレッジでは、ウィッシュボーンやビア・オフェンスからのトリプルオプション、つまりラン攻撃を主体にゴリゴリ押していく質実剛健なスタイルが圧倒的で、一試合に投げるパスはせいぜい10回くらいというチームが多く、プロタイプの攻撃を展開していたメジャーカレッジは西海岸のカリフォルニア大とスタンフォード大、他にはBYUくらいだったと思います。ミシガン大も例にもれず全米屈指の攻撃ラインを擁し、ランで地道にヤードを稼ぐスタイルでしたが、たまに投げるロングボムが効果的で印象に残っています。大学通算パス成功率は僅か46.3ながら、平均獲得ヤードは7.9と異様に高い。しかもパス成功数236のうちタッチダウンは実に46を占めています。因みにエースレシーバー、ジム・スミスの平均獲得ヤードは75年23、76年に至っては27.5という驚異的な数字です。

リーチは野球でも活躍し、ビッグ10カンファレンスの首位打者に輝くなど才能を発揮します。ブロンドのハンサムボーイが両競技でオールアメリカンに選出されたのですから、ミシガン州出身の彼はまさに地元のスーパーヒーローでした。

しかしミシガン州は同学年にやはり両競技で傑出した選手をもう一人抱えていました。ミシガン州大のカーク・ギブソンです。リーチ同様ミシガン州出身のギブソンは、アメリカンフットボールではWRとしてオールアメリカンでしたが、野球をプレーしたのは1シーズンのみ。ところが打率.390、48試合で16本塁打と大暴れしてMLBからも注目を集め、78年ドラフトで地元タイガースから1巡目12位で指名されて契約します。NFLドラフトを待っても、これほどの高順位は期待できないとの判断でしょう。リーチはこの時フィリーズの24巡指名でした(因みに全体1位はボブ・ホーナー)

79年のNFLドラフトではギブソンが7巡目、リーチは5巡目で指名されましたが、6月のMLBドラフトでリーチは1巡13位でなんとタイガースに指名され入団しました。地元のヒーロー二人が期せずしてご当地球団に加わったのですから、ミシガン州民の喜びようは容易に想像できます。

月刊『タッチダウン』誌も彼らを取り上げ、どちらの競技に進むのか注目する記事を掲載したことがありますが、私は当初から二人とも野球に進むと考えていました。リーチがNFLで大成するには正直パス力が足りず、モーションも大きくリリースも遅いのでプロ向きとは思えなかったのです。せいぜい7,8巡目くらいかと予想していたほどです。ギブソンのWRというポジションは圧倒的に黒人選手が占めているので、スターターの座を勝ち取るのは彼の走力をもってしても容易ではないと判断していました。私の希望通り、しかも二人ともタイガース。スーパースターになってくれることを大いに期待していましたが、そのキャリアは全く対照的なものになるのです。

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Posted by hiro