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ティーナ・リラク

1983年ヘルシンキ世界陸上でのヒーローは間違いなくカール・ルイスですが、ヒロインとして挙げたいのがやり投げのティーナ・リラクです。女子やり投の世界記録保持者として彼女の名前は知っていましたが、目にするのは初めてでした。

彼女が投擲に向かうとそれだけで割れんばかりの大歓声。世界記録保持者でもあり、地元フィンランドに金メダルをもたらす最有力候補ですから当然といえば当然ですが、画面に映し出された彼女を見てハッとしました。可愛いのです! いかにも北欧という顔立ちの美女でした。やり投の選手ですからガタイがいいのは勿論ですが、ドーピングのせい(おそらく)で筋骨隆々とした東欧圏の選手と違って丸みと柔らかさを残す女性的なプロポーションもひときわ輝いていました。なるほど国民的人気の背景には、このルックスがあったのかと大いに納得したものです。

試合のほうはプレッシャーからか記録を伸ばせずファティマ・ホイットブレッドの後塵を拝する形で最終投擲を迎えます。この時スタジアムの熱気は異様な雰囲気を醸し出していました。ギリギリまで時間をかけて集中を高めるかと思いきや、リラクは無造作と思えるほど短いインターバルで助走に入り、私は不安を覚えました。投擲とともに一段の大歓声が沸き上がり、それが槍を重力に逆らうかのように支えて70mラインを越え逆転優勝となったのです。熱狂のるつぼに包まれる観客席と、それに応えて疾走するリラク。選手と観衆の思いが一体となって成し遂げた逆転劇は、私にスポーツの素晴らしさを改めて教えてくれました。

リラクはこの時まだ22歳でしたが結果的にはキャリアのハイライトになり、五輪では勝てませんでした。しかし自国開催でしかも第一回の世界陸上での金メダルですから、彼女はこの最終投擲に全身全霊を賭けて燃やし尽くしたのかもしれません。きっとフィンランド国民にとって彼女は永遠のアイドルなのではないかと思います。

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陸上競技

Posted by hiro