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守ってあげたいミキティー

12月18日は安藤美姫さんの誕生日です。女子で初めて4回転ジャンプを成功させた彼女は、ジュニア時代から天才少女ともてはやされましたが、世間の注目は遅れて台頭した浅田真央さんに移っていきます。浅田さんが誰にでも愛されそうな優等生的性格だったのに対し、彼女は直情径行で奔放とのイメージがいつの間にか定着してしまったのも要因でしょう。それでも私は少なくとも日本選手最上位になることを願って(つまりは打倒真央)ずっと応援していたのです。

確かに彼女の演技は好不調の波が激しく安定感に欠けていたと思います。いつも転びはしないかとハラハラしながら見ていましたね。技術の高さに比べて表現力に欠けるきらいがあったことも否定できません。それでも色々と揉まれて成長したのでしょう。少女から大人の女性に変わるにつれて表現力に磨きがかかり、技術より寧ろ芸術性で勝負できるスケーターに変貌していったのです。

しかし、その性格故か出来不出来の差が大きいのは最後まで変わらなかった気がします。精神面の課題を完全に克服するまでには至らなかったのでしょうね。期待して見ていると全然ダメ、もう無理かなと諦めていると素晴らしかったりと要するに意外性に溢れていました。何だか危なっかしくて見てられないけど守らずにいられない所謂「父性本能」をくすぐられて仕方なかったのです。

特に2011年シーズンは概ね好調を維持していましたが、それまで期待していると裏切られてばかりだったので世界選手権ではコケるのではないかと思い、ダメもとという気持ちで見ていました。結果は豈図らんや会心の演技で優勝したのです。嬉しかったですねえ。これで完全に一皮剝けた、ソチ五輪で勝てる! と思いきや、これが最後の輝きになってしまいました…

その選手生活を通じて振り回され続けた感ありですが、全て自分の思い通りに運ぶわけはないですからね。まるで峰不二子を追いかけ続けたルパン三世のように一喜一憂させられながら思いが成就しなかった、そんな切なさを感じます。五輪で勝てなかったのも一番悔しいのは本人でしょうし… 浮き沈みが激しくとも世界女王に二度輝いてくれたのは本当に素晴らしいです。一度きりだとフロックと言われかねませんからね。間違いなく言えるのは、彼女が記録より記憶に残るスケーターであることです。絶好調時の彼女に勝てる選手はいなかったと今でも信じています。

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