G-FTB5DFYZ60

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精なる泉

今回の夢は記憶が鮮明であり、また夢の中が4次元空間であることが良く分かります。

今日は休みなので朝から散歩に出かけた。鶴ヶ峰近くまで歩いて戻ってきたのだが、歩道橋を渡っていると左下方から声をかけられた。見やると職場の後輩MTが、こちらを振り返りながら手を振っている。明るくて元気な女の子だ。彼女も休みだったかと思ったら、なぜかアリバイができたような気がして中学校へ行ってみることにして福富町に向かった。

校舎に入ると何故か人が多い。しかも生徒だけではなく、まるで商業施設かのようなにぎやかさ。文化祭でもあるまいしと訝りながら教室に向かおうと階段を上ると、長椅子がずらっと並べてある。3Fへの階段は反対側なので、椅子と机の隙間を抜けることにした。途中机の上に小銭がうず高く積まれているのが目に入ったが、その前に二本の脚がどんと投げ出されている。番長のSだ。ここで引き返すとかえって怪しまれると思い、ぶつからないよう避けながら通り抜けたのだが、気が付くとあろうことか小銭がごっそり私の手にある! 背中越しに掴んでいたらしい。無意識にとはいえ、そんな言い訳が通るはずもないし今さら返すわけにもいかないので、そのままトンズラすることにした。

校舎を出て南太田方面に向かい、ひたすら歩くと周りには民家すら疎らになってきた。トンネルに入ると前を歩いていたのは何と今朝会ったばかりのMTだった。「この先に何かあったっけ?」と聞くと「トンネル抜けると教会があるよ」という。礼を言って抜き去ると取り敢えずその教会を目指そうと決めたが、次第に坂がきつくなり道幅も狭くなってきた。ようやく右前方に十字架が見えてきたが、なんとなく追手の足音が迫っている気がして塀の内側に潜んでやり過ごすことにした。しかし何故か空間が狭くて上手く身を隠せない。どうやっても体のどこかがはみ出してしまうのだ。そうこうするうちに追手がやってきた。狭い道を埋め尽くさんばかりの多勢だが、ワイワイガヤガヤみんなで喋くって遠足みたいに楽しそうだ。私は身を固くしてじっとしていたが、様子を窺おうとヒョイと顔を上げた瞬間バスケ部のKと目が合ってしまった!「マズイ、終わったか…」と観念したが、彼は思わせぶりな流し目をくれるとそのまま通り過ぎて行ったのだ。コイツ梶原景時のつもりかと思ったが、まあ覚えておくよ。

危機を脱してホッとしていると背後から声をかけられた。振り向くとシスターだった。まるで全てお見通しかと思わせるような微笑でついてくるよう促した。どうやら匿ってくれるらしい。中に入ってみると教会というより神学校のようで、生徒たちは皆尼僧の出で立ちだ。校長室で休んでいると、ドアが唐突に激しく開かれた。「お母様は私のことなどどうでもよいのでしょう!」すごい剣幕でシスターに詰め寄る若い女性。これが物凄く綺麗で可愛い。若い頃の松原智恵子そっくりだ。シスターの娘らしいが、どうも彼女が任されている分校の経営方針や家族間のしがらみでしっくりいっていないようだ。シスターは相手にせず、話は全くかみ合わない。私は彼女の美しさに見惚れていたが、彼女も男子禁制のはずのここにいる私に興味を覚えたらしい。どちらからともなく誘って外へ出た。

すると敷地内に円筒の建物を見つけた。コロッセウムかバベルの塔か、勿論そんなに大きくはないが、壁面には建設現場の足場のようなものが架けられ梯子を伝って登れるようになっている。支柱は建物の高さを越えてそそり立ち、その先端は鋭くとがって槍のように天空を指している。まるで巨大な王冠のようだ。私は吸い寄せられるように彼女を連れて登った。

上から覗き込むと青々と水を湛えている。貯水槽なのか井戸なのか分からないが、かなり深そうだ。周囲はタイル張りでプールにさえ見える。そこには一人の用務員がいた。小松方正に似ている。彼女の言うには変わった男で、ここを神聖な場所として塵一つ水垢一つ許せない潔癖症らしい。あんな顔してずいぶん神経質なんだなと思うと、急に邪心が芽生えてきた。この神聖な場所を汚してやろうと。

私が抱き寄せると彼女もそれに応えた。不安定な足場の上で激しく求め合うふたり。用務員が気付いたかどうかわからないが、そんなことはどうでもよく寧ろ見せつけてやりたかった。お前の神聖な場所はこうして既に汚されているんだぞと。凌辱感が快感を増幅させ私は絶頂に達した。我に返ると私の腕の中にいた彼女がいない! もしや転落したかと思い地上を見下ろしたが、どこにも姿が見えないのだ。これはいったい夢か幻だったのか… 茫然自失となりながら視線を水面に落とすと、そこには私の放った精が陽の光を浴びてキラキラと漂っていた。

現在と中学時代が交錯し、ここでの私は何歳なのかさっぱりわかりません。真実と虚構も入り乱れています。国道16号線と交差する道路を渡るための歩道橋はあの辺りにはないですし、私が通っていた中学校は福富町にはありません。もちろん神学校が南太田や清水ケ丘界隈にあったなど聞いたこともないですし、ストーリーも創作など不可能なくらい支離滅裂です。とにかく時空を超越した経験は夢の中でしか味わえないですね。

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Posted by hiro