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ヘッダー

圧倒的に打者を支配した投手ランキング

シーズン30勝投手は今後現れることはないでしょう。もちろん中4日ローテーションを守れば30数回先発登板できるので、理論上不可能ではないですがハードルが高すぎますよね。1990年にボブ・ウェルチ(アスレティックス)が27勝と肉薄しましたが、この頃の彼はドジャース時代の快速球を失っており、また強力打線の援護もあって手も足も出ないという印象ではなかったですね。以来25勝にすら達した例はありません。

では、そのシーズンを席巻し打者を完全に支配下に置いて圧倒した投手は誰か? 今回はその点を考察してみます。ただしリアルタイムで知っている範囲に限定します。見ていない古い時代については各種指標と残された証言から推し量って比較するしかないですが、直接知っているとその時代の空気感、つまり数字以上にその投球が衝撃的で他を圧するものだったかを実感していますからね。

 1 ドワイト・グッデン(メッツ)1985年 
    24勝4敗 防御率1.53 276.2回268奪三振 8完封 WAR12.2

 2 ロン・ギドリー(ヤンキース)1978年 
    25勝3敗 防御率1.74 273.2回248奪三振 9完封 開幕13連勝 1試合18奪三振

 3 グレグ・マダックス(ブレーブス)1995年
    19勝2敗 防御率1.63 209.2回181奪三振 3完封 WHIP0.811

 4 ペドロ・マルティネス(レッドソックス)2000年
    18勝6敗 防御率1.74 217回284奪三振 4完封 WHIP0.737 被打率.167

 5 ジョン・テューダー(カーディナルス)1985年
    21勝8敗 防御率1.93 275回169奪三振 10完封 6月以降20勝1敗 防御率1.16

 6 オレル・ハーシハイザー(ドジャース)1988年
    23勝8敗 防御率2.26 267回178奪三振 8完封 59回連続無失点

 7 ランディー・ジョンソン(ダイヤモンドバックス)2001年
    21勝6敗 防御率2.49 249.2回372奪三振 2完封 1試合20奪三振 奪三振率13.4

 8 ゲリット・コール(アストロズ)2019年
    20勝5敗 防御率2.50 212.1回326奪三振 奪三振率13.8

 9 マイク・スコット(アストロズ)1986年
    18勝10敗 防御率2.22 275.1回306奪三振 5完封

10 クレイトン・カーショー(ドジャース)2014年
    21勝3敗 防御率1.77 198.1回239奪三振 2完封 WHIP0.857

85年のグッデンは断トツですね。この時弱冠20歳! 前年の衝撃的なデビューを経て2年目のジンクスをものともしない快進撃で、このまま行けばありとあらゆる記録を書き換えてしまうのではないかと思わせるほどの怪物ぶりでした。これは私だけでなく全米の野球ファン共通の認識だったでしょう。薬物でキャリアを台無しにしたのが本当に惜しまれます。

現役最強投手とされるジェイコブ・デグロムについては、マウンドに上がりさえすれば圧倒的なパフォーマンスでまさに打者をドミネイトしており、その肩書に相応しい投球を見せます。しかし怪我が多すぎますね。シーズン通してローテーションを守れない投手を私は評価しません。

裾野を広げてオールタイムで選ぶならば、ディジー・ディーンはもちろんウォルター・ジョンソンやレフティー・グローヴ、サンディー・コーファックス、ボブ・ギブソンといった面々が、このリストに割って入ることでしょう。

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Posted by hiro