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今年のウルヴァリンズは「持っている」

やりました! ローズボウルでミシガン大が勝ちました。残り2分を切ってから同点に持ち込み、オーバータイムでの逆転勝利です。序盤はプレーに気負いが見られましたが、攻守ともラインの強さが光り、終始コントロールできていたのが良かったです。一昨年はジョージア大に力負け、昨年はTCUに足元をすくわれ3度目の正直で決勝進出です。

実はプレーオフの組み合わせが決まるまでやきもきしていました。ヘッドコーチのジム・ハーボ―は、2年連続王者のジョージア大打倒を目指していたはずです。そのジョージア大は今季も開幕からランキングトップを維持していたものの、最終週でSECのライバルであるアラバマ大に敗れたためにミシガン大がトップに浮上したのですが、それが吉と出るか凶と出るかが微妙だったのです。というのは上位3校はミシガン大・ワシントン大・テキサス大でほぼ決まったものの、最後の切符をどこが手にするかがわかりませんでした。ジョージア大は1敗で並んだアラバマ大との直接対決で敗れたので脱落確定でしたが、ACCを制したフロリダ州大が無敗を保っていたのです。私としてはフロリダ州大のほうが与し易いと考えていたので、そうなれば吉です。しかしアラバマ大だと話は別です。この十数年常時王座を争える戦力を保持してきたアラバマ大は全米随一の強豪であり、勝ち方を知っているチームです。ボウル・ゲーム6連敗中のミシガン大としては、最も当たりたくない相手のはずです。結局私の願い空しくプレーオフ進出を果たしたのはアラバマ大となり、イヤな感じがしていたのです。

ミシガン大のボウル・ゲームでの弱さは近年始まったことではなく「悪しき伝統」のようなもので、なかなか頂点に辿り着けない原因はそこにあります。レギュラーシーズンでは全米トップの勝率を誇っていた名伯楽ボー・シェンベックラーが率いていた時代にも、ボウル・ゲーム7連敗を喫しています。しかし連敗もいつかは途切れるものとポジティブに捉え、アラバマ大さえ撃破すれば決勝は大丈夫、つまりローズボウルが事実上の決勝戦になると考えていました。逆転を許したときには、このまま押し切られるのかと不安になりましたが、今季のチームは今までとは違う何かを持っているようです。勢いに乗って26年ぶりの王座を勝ち取ってくれるでしょう。

とはいえ油断はできません。決勝の対戦相手ワシントン大は、かつてローズボウルで激闘を繰り広げた間柄で、アップセットで敗れたこともあります。しかし、ミシガン大の攻撃ラインは全米屈指の強さです。止めることはできないでしょう。ワシントン大としては取られたら取り返す、ノーガードの殴り合いのようなハイスコアゲームに持ち込むことができれば勝機があるかもしれませんが、レギュラーシーズンでの平均失点が一桁というミシガン大守備陣を切り裂くのは難しいでしょう。ワシントン大のマイケル・ぺニックス・ジュニアは優れたQBですが、ライン戦を支配されて簡単には仕事をさせてもらえないと思われます。ツー・ポゼッション差でミシガン大有利と予想します。

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