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エンジェルス迷走

ロサンゼルス・エンジェルスのジョー・マッドン監督が解任されましたね。ちょっと早い気がします。12連敗は確かに泥沼ですが、まだ挽回の余地があったのでは… 彼が現代を代表する名将という評価は揺るぎないものですから、来季誰が監督になっても前途多難かと思います。また昨年大谷翔平選手がブレークした要因に彼の積極的な起用法があったのも疑いなく、大谷選手の環境に影響を及ぼすかもしれません。

エンジェルスというチーム、常に資金は潤沢ながら、その使い方が下手ですよね。昔から大物FA選手を大枚はたいて獲得しても、額面通り働かないことがほとんどです。トレードでも大抵貧乏くじを引いている。サンディエゴ・パドレスとシアトル・マリナーズも近いものがありますが、ワーストはエンジェルスでしょう。これはもうチームカラーといっても差し支えないくらいです。

何が問題なのか? スカウティングが悪いということはフロントの問題なのでしょうか? フロントの仕事ぶりは表には出づらいものですから、やはり結果で判断するしかないですよね。或いは環境と待遇が良すぎて選手が怠ける? 確かにパドレスとマリナーズも西海岸のチームですが、同じロサンゼルスのドジャースは常勝軍団ですから違いますね。ということはドジャースと何が違うのかを考えればいいのか! 

まず歴史も伝統も違いますね。何しろドジャースはブルックリンに本拠地を置いていたMLB草創期からの名門ですから比較になりません。ドジャースといえばスモールベースボールを定型化したチームとして有名です。近年こそ「フライボール革命」の影響で長打力に頼る傾向が見えますが、それはあくまで時代の流れに則ったものであり、根底にはチームカラーとしてスモールベースボールの伝統があると思うのです。つまり打撃偏重には決してならず、投手力と守備力を重視する。ドジャースは歴史に残る名投手を輩出してきましたが、エンジェルスは皆無に等しいです。これは育成システムにも差があると思われます。ドジャースは投手に限らず野手でも傘下マイナーから将来フランチャイズプレーヤーに成り得る逸材が連年上がってきます。エンジェルスはどうか? ティム・サーモン、ギャレット・アンダーソンとマイク・トラウトくらいです。いくら歴史が浅いとはいえ、これほど傘下から育たないと補強に依存せざるを得ず、結果として失敗を繰り返してきたのではないでしょうか。

つまりはチームに根付いた目に見えないカラーの有無。エンジェルスもドジャースで長年捕手を務めたマイク・ソーシアが監督の時代にスモールベースボールを掲げてワールドシリーズを制覇していますが、それはあくまで現有戦力を如何に活用できるか試行した結果にすぎず、打撃偏重のチームカラーは変わらなかったと思うのです。やはり野球は投手力と守備力、そして選手のスカウティングと育成が重要でしょう。エンジェルスが負け癖を克服するのは容易ではないと思います。

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Posted by hiro