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カルヴィン・スミス

カール・ルイスが世界の檜舞台に躍り出た1983年ヘルシンキでの世界陸上で最も注目を集めたのが、100mでのカルヴィン・スミスとの対決です。スミスは大会の一か月前に世界記録を更新したばかりで、それを成し遂げるのはルイスであろうという世間一般の評価を覆して世界中を驚かせました。確かにコロラドスプリングスは高地で記録が出やすいとはいえ、まずまずのスタートをしたスミスが中盤の加速で猛烈な伸びを見せ、ゴール前でさらに突き放して大差をつける会心のレースで、もしルイスが出場していても結果は同じだったかもしれないと思わせるものでした。しかもスミスは82年に追い風参考ながら9秒91を記録していたので、それがフロックでないことも証明したわけです。

スミスの走りはルイスと対照的で、顎が上がり顔も左右に大きく振れて喘ぎながら走っているかのよう。小柄な体で必死にストライドを伸ばそうと肩も前後にブレ、お世辞にも美しい走りとは言えません。しかし必死さが伝わってくるかのようで好感が持てました。

下馬評ではやはりルイス有利でした。爆発的な終盤の加速で差し勝つだろうと。スタートで出遅れがちのルイスですからスミスとしては好スタートを決めれば勝機はあったかもしれません。が、二人とも出遅れてアメリカ第三の男エミット・キングが中盤までリードします。終盤二人は追い込みをかけて逆転しますが、やはりこの点ではルイスが勝り、スミスの完敗でした。

スミスは小型軽量を生かしたコーナーリングが非常に上手く、200mでは世界陸上を連覇しています。この時代のアメリカは、世界大会でメダルを獲得するより代表入りするほうが遥かに難しいほど層が厚く、リレーメンバーはまちまちでしたが3走スミス、アンカーがルイスは不動でしたね。私には直接対決でスミスが勝った記憶がほぼないのですが、それでも二人が80年代のアメリカ短距離界を支えていたことは、この事実が証明していると思います。

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陸上競技

Posted by hiro