打球音が違う!
早く球場入りしてMLB選抜の守備練習を堪能することができた私は、それだけでも充足感を覚えていました。当然試合に対する期待は否応なく高まりましたが、もし突然の大雨で中止になっていたとしても一生忘れられない素晴らしい思い出になったのは間違いないです。
試合でもMLB選抜が実力を如何なく発揮して二桁得点で圧勝、攻守とも鮮烈な印象を残すプレーが目白押しでした。ジェシー・バーフィールド(ブルージェイズ)が強肩を披露する機会こそありませんでしたが、「座り投げ」トニー・ペーニャ(パイレーツ)は随所で肩の強さを見せつけました。まさに地を這うような二塁への送球で、山倉和博捕手のそれが山なりに見えてしまうほど軌道もスピードも全く違う、思わず笑っちゃったほどの差でした。それからカル・リプケン(オリオールズ)の動き、これが絵になるんですよ。オジー・スミス(カーディナルス)は小柄で華奢ですから敏捷なのは当然ですが、大柄なリプケンのプレーが実に柔らかくて澱みがないのです。華麗と言うより優美と言った方が近いかもしれません。大型遊撃手がいない日本での基準を遥かに超える見事さでした。
リプケンは打撃でも真価を発揮しました。7回(だったと思う)から登板したのは西武ライオンズの渡辺久信投手。この年最多勝利と最多奪三振のタイトルを獲得した彼は当時21歳。スピードには自信があったでしょうし、実際速かったです。球場のスピードガン表示は145,6kmでしたが、この試合に登板した投手では日米通じて一番速いと感じました。自分の速球が通用するか試したい気持ちもあったでしょう、リプケンにも真っ向勝負を挑みました。真っ芯で捉えた打球は遊撃手頭上へのライナーで、左中間を抜けると思いましたが失速しない。「これはフェンス直撃か?」と凝視していると、まるでロケットが二段噴射するかのように伸び続けて左中間スタンド中段に突き刺さったのです。本当に驚きました。こんな本塁打は後にも先にも見たことがないです。いちばんビックリしたのは渡辺投手だったでしょうけれど…
その後続投した渡辺投手はリプケンと再度対決します。先程喰らった一発を意識してかフォークボールで勝負しましたが、コースが甘く完璧に捉えられ同じ左中間、今度は上段までもっていかれました。飛距離はさらに出ていたと思いますが、印象の強烈さでは一本目が遥かに上でしたね。
この日は日本チームにも二本の本塁打が出ましたが、その打球音は「スコーン」と乾いた如何にもジャストミートした感がある良い音なんですが、リプケンのは全然違う。「グワシャッ!」っとボールが潰れて壊されたかのような破裂音なんです。音の違いがやけに耳に残って忘れられないです。
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