印象に残る技巧派ドリブラー
ドリブラーは二つのタイプに分けられると思います。ピエール・リトバルスキーのような軽妙で変幻自在な技巧派と、爆発的スピードでディフェンダーを置き去りにするカール=ハインツ・ルンメニゲのタイプです。もちろん両面を兼ね備えた選手も少なからず存在しますが、ここでは無理やりどちらかに分類して私の印象に残る技巧派ドリブラーをあげてみます。
1 ミカエル・ラウドルップ(デンマーク)
2 ヨハン・クライフ(オランダ)
3 ジネディーヌ・ジダン(フランス)
4 リオネル・メッシ(アルゼンチン)
5 ドラガン・ストイコビッチ(ユーゴスラビア)
6 ジョージ・ベスト(北アイルランド)
7 ロナウジーニョ(ブラジル)
8 ロベルト・バッジョ(イタリア)
9 ピエール・リトバルスキー(西ドイツ)
10 ポール・ガスコイン(イングランド)
昔から巷間で言われるのは、ボール扱いにおいては北欧より南欧の選手のほうが巧く南米はさらに巧いということです。一般論として正しいでしょう。平均値をとれば事実と思われます。しかし真に偉大な才能は民族や人種を問わず現れるということを、このリストを見て改めて感じます。
巧いドリブラーはボールを蹴るのではなく足で運んでいるように見えますが、ラウドルップのドリブルは最たる例でしょう。まるで足とボールが磁力で引かれあっているかのような澱みのなさでした。その真骨頂が1986年メキシコW杯グループリーグのウルグアイ戦です。足元の技術に優れているはずのウルグアイ守備陣が、成すすべなく抜かれていく様は圧巻でした。当時フランス代表だったドミニク・ロシュトーは、ウナギのようにすり抜けるドリブルからアンギーユ(ウナギ)と呼ばれていましたが、個人的にはラウドルップにこそ相応しいと思ったものです。万能の神とも言えるクライフより上位に置いて良いものか躊躇しましたが、この大会での鮮烈な印象を優先しました。
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