新選組最強は?
巷間よく話題に上がるのが、新選組でいちばん強いのは誰かですよね。永遠に正解のわからないテーマであり難しいですが、想像力をかきたてられて楽しいです。新選組ファンにはそれぞれ「推し」がいることでしょうから、主観的にならざるを得ないのも当然です。
新選組は集団戦闘のプロですから、1対1の斬り合いには強くないなどと言う人もいます。確かに通常の任務は輪番で各組頭が10人程度の小隊を率いてこなすので大抵の場合数的優位は確保できていたはずですが、例外もありますし非番の際に襲われる可能性もあります。やはり一定以上の技倆がなければ入隊を認められなかったことでしょう。少なくとも幹部クラス以上は皆優れた剣客だったと考えます。
一般的には沖田総司・永倉新八・斎藤一が最強候補とされるのが常です。それぞれ一番隊・二番隊・三番隊組長であり、ともに撃剣師範でもあります。剣技の評価がこの順番だったとしてもおかしくはないですね。この三人に加えて藤堂平助は「四天王」に挙げられていましたし、二刀を使った服部武雄が実力随一だったという評もあります。草創期の筆頭局長芹沢鴨は剣名が非常に高く、近藤勇率いる試衛館一派も大いに恐れたとされています。粛清に際して泥酔させたうえに寝込みを最高幹部クラス数名で襲うという念の入れようですからね。
また何をもって最強とするかによっても変わってくるでしょう。竹刀剣術ならば流派にかかわらず免許皆伝を得た道場主や師範代クラスは皆強かったはずですが、新選組が警察組織である以上やはり真剣での斬り合いを前提として考えた結果が以下の通りです。
1 斎藤一 三番隊組長・撃剣師範 流派不明
2 沖田総司 一番隊組長・撃剣師範 天然理心流
3 永倉新八 二番隊組長・撃剣師範 神道無念流
4 近藤勇 局長 天然理心流
5 服部武雄 諸士取調役兼監察 流派不明
6 芹沢鴨 筆頭局長 神道無念流
7 土方歳三 副長 天然理心流
8 藤堂平助 八番隊組長 北辰一刀流
9 大石鍬次郎 諸士取調役兼監察 小野派一刀流
10 島田魁 伍長 心形刀流
上位6名は誰をトップに持ってきてもおかしくない実力と思われますが、斎藤は戊辰戦争はおろか西南戦争にも警視隊に参加して激戦を生き残っています。この事実が彼の実戦での強さを物語っていると考えます。沖田の場合。もし病に斃れなかったらと想像すると、間違いなく近藤・土方と行動を共にしたことでしょう。維新後まで生きながらえたかどうかは微妙ですからね。永倉については阿部十郎の「沖田より稽古が進んでいた」との証言があるので、竹刀稽古では沖田以上だったかもしれませんが、永倉自身が「猛者の剣」と評した沖田が真剣では強かったと想像します。
このリストを見て気が付きましたが、中核をなした天然理心流に加えて神道無念流とで半数を占めています。極めて実戦的とされる天然理心流と「力の斎藤」と謳われた神道無念流。なんとなく真剣での斬り合いで重要なのは小手先の技ではなく、体力・膂力と精神力そして経験だったことを示唆しているような気がします。
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