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小林平八郎央通

2022年5月23日

吉良氏といえばやはり『忠臣蔵』ですよね。「赤穂事件」の直後から庶民に絶大な人気を博して以来、小説、映画、テレビドラマなどで度々取り上げられたこの作品は、今でも師走の風物詩になっています。
おおよそ史実に則ってはいても人物描写や刃傷の原因を何に求めるか、仇討の目的などの解釈は様々ですからワンパターンにならず面白いのでしょう。

「赤穂事件」を題材にした作品ではっきり私の記憶にある最古のものは大河ドラマ『元禄太平記』ですが、その時点で『忠臣蔵』は知っていました。本でも読みましたし、もしかしたら映画か何かを家族で見ていたかもしれません。

数多いる登場人物の中で私がいちばん好きなのは小林平八郎央通です。そう、吉良方なんですよ。別に吉良贔屓のわけでもないのに何故?と自分でも思います。調べてみると『元禄太平記』では辻萬長さんが演じていたようなのですが朧げな記憶しかない… 不可解なんです。でも以降の作品では常に平八郎のキャスティングに注目していたのは事実なので、子供にありがちな理由のない直感だったのでしょうか。

平八郎の出自については定かではありません。作中では吉良家の家老あるいは家人、警護のために上杉家から派遣された付人のどちらかですね。ただ「央」は吉良上野介義央からの偏諱であろうこと、100石で召し抱えられていた記録があることから少なくとも討ち入り時には吉良の家臣だったと思われます。剣豪とした描かれ奮戦するのがオーソドックスなパターンですが、真偽のほどはわかりません。

平八郎役がもっともハマっていたのは、大河ドラマ『元禄繚乱』の誠直也さんだと思います。ここでは上杉家の用人と設定されていました。貫禄がありましたねえ。阿部寛さん演じる堀部安兵衛との一騎討ち、安兵衛の肩先に斬り込むも鎖帷子に阻まれてしまい返り討ちにあいました。史実でも赤穂浪士側の負傷者はわずか2人ですから、寝込みを襲われ平服で迎え撃った吉良方がどんなに奮戦したにせよ、ほぼ一方的な展開だったのでしょう。
テレビ東京『大忠臣蔵』の宅麻伸さんもよかったですが、年齢的にちょっと若いかなという感じでした。

時代劇である以上、史実とはっきりしていない部分を脚色するのは当然ですから様々な描かれ方をします。ですが史実とあまりにもかけ離れてしまったり、ちょっとこれはありえないだろうと思うような脚本だと興醒めしてしまいます。近年の大河ドラマに魅力がない原因は、そのあたりにもあるかと思っています。

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江戸時代

Posted by hiro