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ミス日本今昔

12月11日は山本富士子さんの誕生日です。私が日本史上で屈指の美人女優と考える山本さんは、所謂日本美人の典型ですね。その美貌ゆえ清純なイメージが強いですが、最も印象に残っているのは1960年の映画『千姫御殿』の千姫役です。

豊臣家滅亡後若くして未亡人となった千姫は鬱屈した感情を紛らわすため遊興に耽り、幕府は身辺調査のため隠密を放ちます。本郷功次郎さん演じるこの若侍田原喜八郎に惹かれた千姫は執拗に彼を誘惑、喜八郎は抗しきれずに関係を持ちます。結局幕府の知るところとなり喜八郎は切腹、千姫は出家を余儀なくされるのです。

千姫を演じる山本さんは実に美しく妖艶な見事なまでの悪女ぶりで、山本さん及び千姫に抱いていたイメージが完全に覆される存在感に圧倒されました。様々な役柄を演じた彼女ですが、この作品での美しさが最も際立っていたと思います。

山本さんは言わずと知れた初代ミス日本ですよね。隔世の感ありです。彼女はやはり昭和美人であり、近年のミス達とは全く趣が違います。食文化の変容からか、女性の体形は欧米化が進んで平成に入るころには高身長の八頭身が明らかに増えた気がします。ミスに選ばれる女性はその最たるものでしょう。

ミス・ユニバースでは2006年に知花くららさんが2位、翌年には森理世さんが見事ミスの座を射止めましたが、私は何か違和感を覚えたものです。その後選ばれたミス日本を見ても、確かに長身でスタイルが良くドレスや洋服は似合うでしょう。しかしメイクはどぎつく派手でネイティブの日本人には見えないほどです。しかもそのメイクで民族衣装を纏うとなると?ですね。日本の民族衣装となればやはり着物ですが、派手な着物をヘンテコな着こなしで東南アジア人みたいな顔をした女性が登場すると最早和服に見えません。なんだかなぁという感じです。(個人的に知花さんは好きですが)

別にミス・ユニバースにならなくても良いじゃないですか。どんなに日本人のスタイルが欧米化しても、ドレスを着せたら本家本元に敵わなくて当然です。ミスコンの意義が男性目線でなく女性の地位向上に寄与するものであるならば、その場を借りて日本と日本女性ならではの魅力を発信するべきです。つまりトレンドに迎合することなく旧来の日本美人の奥ゆかしさや謙虚さを前面に打ち出してほしいのです。私としては山本さんのような古風な美女が、しっとりと折り目正しく和服を着こなして世界大会のステージに立ってほしい、そんな見果てぬ(?)夢を見ています。

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Posted by hiro