ヒッチコック作品ベスト
4月29日はアルフレッド・ヒッチコックの命日です。イギリス出身で「サスペンス・スリラーの巨匠」として有名なヒッチコックはハリウッド黄金時代の映画監督として、おそらくジョン・フォードと並んで日本で最も名の知られた人物だったでしょう。後世に与えた影響もフォードに引けを取らず大きくスティーヴン・スピルバーグやマーティン・スコセッシ、ブライアン・デ・パーマに顕著であり、またヌーヴェル・ヴァーグの旗手たちも影響を受けています。
「ヒッチコック・タッチ」と呼ばれる独特の手法はイギリス時代に確立されていたようですが、私が特に好きなのはカメラワークですね。『裏窓』におけるピーピングによって観客を主人公に同化させる役割や『汚名』で遠景からヒロインの手に握られている鍵に接近しつつクローズアップされていくショットなどが印象的です。また、自分のほとんどの作品にカメオ出演していることも有名ですね。セリフのないエキストラの一人として顔を出していますが、このあたりにもユーモアのセンスを感じます。ヒロインに金髪美女が多いのも特徴的ですが、これは単純に彼の好みだったようです。
ここからは名作揃いの作品から私のお気に入りを列挙してみます。
1 『めまい』Vertigo 1958年 主演ジェイムス・ステュワート、キム・ノヴァク
2 『レベッカ』 Rebecca 1940年 主演ジョーン・フォンテイン、ローレンス・オリヴィエー
3 『裏窓』 Rear Window 1954年 主演ジェイムス・ステュワート、グレイス・ケリー
4 『サイコ』Psycho 1960年 主演アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー
5 『白い恐怖』Spellbound 1945年 主演イングリッド・バーグマン、グレゴリー・ペック
6 『私は告白する』I Confess 1953年 主演モンゴメリー・クリフト、アン・バクスター
7 『北北西に進路を取れ』North by Northwest 1959年
主演ケイリー・グラント、エヴァ・マリー・セイント
8 『汚名』Notorious 1946年 主演ケイリー・グラント、イングリッド・バーグマン
9 『鳥』The Birds 1963年 主演ティッピ・へドレン、ロッド・テイラー
10 『断崖』Suspicion 1941年 主演ジョーン・フォンテイン、ケイリー・グラント
個人的に『めまい』は断トツなのですが、驚いたことに公開当時の評価は芳しくなかったようで、アカデミー賞でも主要部門にはノミネートすらされていません。またヒッチコックはノヴァクをあまり好まなかったようです。彼の作品に登場するヒロインは知的で洗練された金髪美女、いわゆる「クール・ブロンド」でノヴァクもその例にもれませんが、上に名をあげた女優たちと比べて決定的に違うのはマリリン・モンローにも通じるあからさまなセックスアピールも持っていることでしょう。もしかしたらヒッチコックは彼女のそういうキャラクターを嫌ったのかもしれないですが、殊この役柄に関しては彼女の妖艶さが作品の魅力を大いに引き上げていると考えます。仮にバーグマンやケリーが演じても、ノヴァク以上にハマったとは思えません。
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