歴史に抗うプーチン
最近気になるといえば、やはりウクライナ情勢ですよね。プーチン大統領が暴挙に打って出るとは思いませんでした。それにしてもウクライナ国民の団結力は、端倪すべからざるものがあります。
旧ソ連を知っている世代にしてみれば当時は同じ穴の狢だったわけで、徹底抗戦するほどの相克があるのか疑問でした。しかし中欧は東西の覇権国家に代わる代わる蹂躙されてきたという歴史があり、国家の成り立ちから民族構成まで多種多様です。彼らの独立心、ウクライナ人としての誇りは島国に生まれ育った私たちには推し量れないものなのでしょう。
米中の対立が激化する以前から、私はロシアとはもっと仲良くするべきと考えていました。地政学的に見ても中国を牽制するには有効なので、そのためには北方領土をあきらめるのもやむなしと。もちろん対米関係が優先ですからさじ加減が難しいですが、「プーチン後」をも睨んで欧米とロシアの橋渡しをしつつ、将来的に陣営に引き込むことができれば中国の脅威は半減します。が、こうなってしまうとそれは不可能ですね。
結局ロシアという国はソ連から「衣替え」しただけで中身は変わっていなかったわけで、その原因はプーチン個人にあると思います。例えばゴルバチョフのような指導者に国を委ねていれば、こんな強権的な政治体制にはなっていなかったはず。ヒトラーやスターリンと何ら変わりない独裁者ですよね。
思い出すのは1989年の「東欧革命」と「ベルリンの壁崩壊」です。自由と民主化を求める市民の切実な思いが国から国へと瞬く間に伝播し、わずか半年で成し遂げられたのです。結果的にその流れは「ソ連崩壊」へと向かい「冷戦終結」にまで至るのです。衝撃的であり、感動もしましたね。市民のパワーがほとんど流血を伴わずに歴史を変えたのですから… 時代というものは緩やかに流れているものですが、時として激流のように動くこともあるんだと実感しました。
冷戦に敗北した東側陣営は全て一党独裁体制であり、共産主義を隠れ蓑にした全体主義国家でした。彼らは負けたのです。中国にしても経済発展を遂げて大国にのし上がったのは、鄧小平が「改革開放」路線に舵を切ってからのこと。自由主義の勝利は明らかなのです。ロシアも中国もそして北朝鮮も歴史に抗っているとしか思えません。
未だプーチンの支持率は高いようですが、欧米の経済制裁が真綿で首を締めるようにロシア国民の生活を苦しめだすと、その怨嗟はプーチンに向かうでしょう。そうなるとクーデターが起きる可能性もあるのでは?まあ当面は彼の政権が長続きしないことを祈るしかないですかねえ… 歯痒いですが。
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