珊瑚海海戦
5月7日は「珊瑚海海戦」が生起した日です。「真珠湾攻撃」や「ミッドウェイ海戦」に比べると知名度は劣りますが、史上初の空母を中心とする機動部隊同士が敵艦を視界に収めることなく戦ったエポックメイキングな海戦として知られています。
一般的には戦術的には日本、戦略的にはアメリカの勝利とされていますが微妙ですね。確かに軽空母と正規空母の刺し違えという意味では日本に分がありますが、国力差を考えると1隻も失いたくないですし、この後ミッドウェイ作戦を控えているとなれば尚更です。第四艦隊司令長官井上成美中将と第五航空戦隊司令官原忠一少将は攻撃精神の欠如を批判されましたが、米機動部隊が退避したとはいえ、使用可能機が大幅に減少した空母「瑞鶴」のみでポートモレスビーや豪本土の基地航空部隊と対峙するのは非常に厳しく、強行すれば「瑞鶴」まで叩かれていた可能性大です。山口多聞少将でもやらないでしょう。相手が空母なら話は別ですが…
この時期日本が明らかに上回っていたのは、航空機搭乗員の技量です。彼らをここですり減らすのはどう考えても得策ではありません。時間が経てば経つほどアメリカはその工業力をフル稼働して戦力を増強するはずですから、早期に次なる決戦へ注力しなければジリ貧になるのは目に見えています。ミッドウェイで結果的には惨敗しますが、この段階では最早それに賭けるしかなかったと思います。ただミッドウェイで致命的な結果を招いた索敵の杜撰さは既に見られます。米海軍の技量を過小評価して戦訓を生かせなかったのが痛いですね。
アメリカ側では激しく損傷した空母「ヨークタウン」をミッドウェイに間に合わせたダメージコントロールが見事です。この時に限らず、多くの艦艇を沈没から救った米海軍水兵の応急処置は素晴らしいの一言に尽きます。
レーダーが未発達だったこともあり、両軍とも不測の事態や誤算を繰り返しながら手探りで戦ったこの海戦の経過は、非常に緊迫感があって手に汗握るものです。是非とも映画で再現して欲しいと思います。
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