グリーン、イーズリーそしてテイラー
ジョー・モンタナを生で見た2年後、再びジャパンボウルを観戦しました。今度は横浜スタジアムです。この年のメンバーはどちらかというと守備に注目選手が多かった気がします。その筆頭が東軍のヒュー・グリーン(ピッツバーグ大)と西軍のケニー・イーズリー(UCLA)です。
グリーンは守備選手でありながらハイズマン賞を獲るのではと全米を騒がせ、圧倒的なスピードでQBサックを量産しました。結局投票では2位に終わりましたが、それでも金字塔です。イーズリーは優れたフィジカルを生かしたハードヒットが身上のセイフティーで3年連続オールアメリカンに選ばれ、ともにドラフトでの高順位指名が確実な逸材でした。
試合では何と言ってもグリーンの動きに目を奪われました。そのスピードとクイックネスに西軍攻撃ラインが翻弄され全くついていけないのです。イーズリーの強さと視野の広さもさすがと唸らせるものでした。西軍が勝ったため最優秀ディフェンス賞はイーズリーのものになりましたが、二人のNFLでの活躍を私は確信しました。
実はメンバーに選ばれていながら来日しなかった選手に超大物がいたのです。ノースカロライナ大のLBローレンス・テイラーです。グリーンがハイズマン賞を争うほど脚光を浴びていたのは確かですが、プロのスカウトたちの評価はテイラーが上で、ドラフト全体一位の最有力候補と目されていたのです。ところが指名権を持っていたニューオーリンズ・セインツの新ヘッドコーチであるバム・フィリップスは、ディフェンス畑のコーチでありながらハイズマン受賞者のRBジョージ・ロジャース(サウスカロライナ大)を指名しました。これはヒューストン・オイラーズのヘッドコーチ時代にロジャースと同じパワーランナーであるアール・キャンベルを全体一位で指名した成功体験の影響が大きかったと思われます。ロジャースは新人でラッシングリーダーに輝くなど活躍はしましたが、フィリップス指揮下のセインツは勝ち越すことすらできずに終わることになります。全体二位でテイラーを指名したニューヨーク・ジャイアンツが後年スーパーボウルを制覇したこと、なかんずく彼がNFLにおけるLBの評価基準を根底から変えたとされるほどの活躍をしたことを考えると、フィリップスの選択は誤りだったと言わざるを得ないでしょうね。
イーズリーも、その後現れる新人の新たな評価基準を作ったという意味ではテイラーと遜色ありません。ただ彼の場合は余りにも強いヒットが自らの選手寿命を縮めてしまったともされています。グリーンもプロボウルに選ばれるなど活躍しますが「アナザー・ローレンス・テイラー」と呼ばれたように、その立ち位置は完全に逆転してしまいました。これは彼がサイズに欠けたことが大きいかと思われます。
それにしてもグリーンとテイラーという稀代のパスラッシャーコンビ、日本で実現していたら垂涎ものだったですね。西軍はシャットアウトされていたかもしれません
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