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大河ドラマ今昔

2022年5月23日

私が初めて見た大河ドラマは『新平家物語』です。志垣太郎さん演じる源義経がカッコよかった。今でも志垣義経は歴代最高と思っています。
その後30年くらい、ほぼ見続けていましたが(題材によっては全く見ない年もありました)近年ではキャスティング発表の時点で興味を失ったり、見始めても序盤で断念してしまうのがパターン化しています。

今年についていえば、同時代を扱った作品に『草燃える』があり好きでしたし登場人物がどのように描写されるのかが楽しみで期待していたのです。一抹の不安は脚本が三谷幸喜さんであることでしたが…

最初の印象は悪くなかったです。セリフ中あからさまに砕けた現代語が出てくるのには違和感を覚えましたが、近年ありがちなことでもあり見るのをやめるほどではなかったですね。今後の展開にまだ期待していたのです。

序盤で特に注目していたのは、北条義時の兄宗時がどのような最期を遂げるかでした。私としては石橋山での敗戦後、父時政と同行して共に討ち取られるようなことがあっては北条の行く末が危ういと敢えて別行動をとり、結局多勢に無勢、奮戦空しく討死すると想像していました。ところが蓋を開けてみると観音像を取りに館へ戻る?しかも郎党とふたり馬に揺られてのんびりと?敵を目を憚りながら夜陰に紛れてこっそりとならまだしも、あんなに無警戒でなんて有り得ない… 300が3000に負けたんですよ?落武者狩りは相当厳しかったはずで逃れるのに必死だったでしょう。以降見るのをやめました。

今回は脚本に幻滅してしまったわけですが、近年の作品は70~80年代と比べて一言で言ってしまえば総じて「軽い」んですよ、やはり。若年層のウケを狙うのもわかりますが、あまりにも現代語調のセリフ回しは如何なものかと… 文書上よりも日常会話のほうが砕けた表現なのは今も昔も変わらないでしょうから「~申し候」などと話していたとは思っていませんが、やはり許容範囲があります。所作についても同様です。例えば腰の据わった古武術を感じさせるような走り方でないとしっくりきません。時代劇に欠かせなかったベテラン俳優が次々と鬼籍に入り減少していくという抗えない負の側面は確かにあるのでキャスティングは年々難しくなっているでしょう。役者不足の感は否めません。

私が時代劇に求めるのは重厚さです。その頂点と考えているのが仲代達也さん主演のNHK正月時代劇『荒木又右衛門 決戦・鍵屋の辻』なのです。このような時代劇が作られることはもうないのかもしれません。大河ドラマはどんどん遠い所へ行ってしまった… とはいえ、もし主人公が後北条氏の大河ドラマが作られる日がやってきたら、全てを我慢して見ることでしょう。願わくば生きている間にやってほしいなあ。

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Posted by hiro