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ボクサーのニックネーム・ランキング

11月2日はアメリカのリングアナウンサー、マイケル・バッファーの誕生日です。ジミー・レノン・ジュニアと知名度を二分する存在で、1980年代半ば以降は「ビッグファイト」となると殆ど二人のうちどちらかがリングアナウンスをしていた印象があります。バッファーは「Let´s get ready to rumble!」レノンは「It´s show time!」のキャッチフレーズで有名ですが、声質は全く違いますよね。バッファーは「魅惑の重低音」とでも言うべき太くて張りがありながら艶っぽい声。彼のリングアナウンスを聞く度に本当にいい声だなと思ったものです。レノンはより高音ですが、それほど特徴的なものではなかったです。

私は二人の競演を見たことがあります。歴史に残る逆転KO劇となった世界ライトフライ級ウンベルト・ゴンザレス対マイケル・カルバハルの王座統一戦です。観客として来場していたバッファーが急遽オファーされ、ジーパン姿のままリングに立ってカルバハルをコール、続いてゴンザレスをレノンがコールしたのです。なかなかレアな場面でした。レノンはリング上でにこやかに拍手して歓迎している雰囲気でしたが、バッファーは彼と目を合わせようとしなかった記憶があります。ライバル意識があったのでしょうか。その後バッファーのアナウンスは次第に仰々しいものになって行き、所謂「タメ」を作りすぎて私的には興を削ぐものになってしまいました。何事もほどほどが良いですね。

リングアナウンスで最も盛り上がるのは、やはり選手紹介でしょう。プロフィールから始まって戦績、肩書を経てニックネームと名前を高らかに読み上げるところで最高潮に達します。私はいつもこのニックネームを気にかけていました。選手のボクシングスタイルや風貌、人間性などを鑑て「これは巧い!」と感じるものもあり、さらにイニシャルや綴りに引っ掛けてあったりすると成程と思うわけです。そこで今回は私が好きなボクサーのニックネームをあげてみます。

 1 トニー・TNT・タッカー
 2 マ―セラス・レイ・マーサー
 3 ジェイムス・ボーンクラッシャー・スミス
 4 イヴェンダー・リアルディール・ホリフィールド
 5 マーヴェラス・マーヴィン・ハグラ―
 6 テリブル・テリー・ノリス、ティム・ウィザースプーン
 7 ボディースナッチャー・マイク・マッカラム
 8 トーマス・ヒットマン・ハーンズ
 9 スモーキン・ジョー・フレイジャー
10 ドノヴァン・レイザー・ラドック

やはりタッカーの「TNT」が出色ですね。これはトリニトロトルエンの略であり、高性能爆薬を指します。彼の高いKO率になぞらえ、尚且つイニシャルと綴りに絶妙な絡み具合です。
1987年、後にマイク・タイソンに初黒星を付けることになるジェイムス・ダグラスを10回TKOで下して空位のIBFヘビー級王座を獲得しますがタイソンとの統一戦に敗れました。この頃がタッカーの全盛期であり、サイズとスピードに恵まれたボクサーファイターでフットワークも良く、長いリーチを生かしてアウトボックスできる上、一発で仕留められるパンチ力も兼ね備えた優秀なボクサーでした。飛ぶ鳥落とす勢いだった全盛期のタイソンを最も苦しめたのは彼だったと思います。しかし、その後薬物問題でブランクを作ってしまい復帰した時には体重が増加して軽快なフットワークは失われており、スタイリッシュだったボクシングは足を止めて打ち合う古典的なものに変化してしまいました。それでも強打は健在で、その長いリーチは対戦相手にとって至極厄介なものであり、長らくトップコンテンダーの位置を保ちましたが遂に王座復帰は叶わなかったのです。WBC王者レノックス・ルイスに挑戦した試合ではプロ入り初のダウンを喫しましたがルイスをぐらつかせる場面もあり、印象としてはスコアより接戦だったと思います。ただブルース・セルドンとのWBA王座決定戦はいただけなかったです。もし勝っていればタイソンとの再戦があったと思われますが、セルドンにTKO負けするようではねえ。この時すでに36歳。限界だったのでしょう。全盛期における2年半のブランクが惜しまれます。

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ボクシング

Posted by hiro