ボクシング階級別歴代最強
先日朝倉未来選手がフロイド・メイウェザー・ジュニアに敗れました。朝倉選手の勇気は大したものですね。45歳とはいえメイウェザーはパウンド・フォー・パウンド最強と目され、無敗のまま引退したレジェンドですからね。ボクシングルールつまりメイウェザーの土俵で挑んだ結果の敗戦は当然であり、彼の評価を下げるものではないでしょう。
ボクシングファンの間で常に話題になるのは誰がパウンド・フォー・パウンド最強かです。近年ではメイウェザーでしょうが、マイク・タイソンの全盛期には彼を推す声が圧倒的だったですね。他にはリカルド・ロペスやロイ・ジョーンズ・ジュニアといったところでしょうか。オールドファンではシュガー・レイ・ロビンソンこそ真の最強との意見が大勢だった記憶があります。
さすがにロビンソンまで時代を遡ると私には評価のしようがありません。モハメド・アリはリアルタイムで知っていますが、たとえ同時代のボクサーであってもパウンド・フォー・パウンド最強を決めるのは至難の業で、個人的主観と好みがあって初めて成立するものと考えます。
例えばロペスがヘビー級のボクサーだったら、タイソン以上のスピードを持ちえたかどうか微妙です。逆にタイソンがミニマム級の体格だったらロペスより強かったか考えると何とも言えません。いっそのこと中間をとって両者をミドル級あたりで対決させたらと思っても、私の想像力ではもはや手に負えないレベルで見当もつかない。そこで階級別に歴代最強を選んでみることにしました。
ミニマム級 リカルド・ロペス(メキシコ)
ライトフライ級 具志堅用高(日本)
フライ級 大場政夫(日本)
スーパーフライ級 カオサイ・ギャラクシー(タイ)
バンタム級 カルロス・サラテ(メキシコ)
スーパーバンタム級 ウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)
フェザー級 サルバドル・サンチェス(メキシコ)
スーパーフェザー級 アレクシス・アルゲリョ(ニカラグア)
ライト級 ロベルト・デュラン(パナマ)
スーパーライト級 フリオ・セサール・チャヴェス(メキシコ)
ウェルター級 シュガー・レイ・レナード(アメリカ)
スーパーウェルター級 マイク・マッカラム(ジャマイカ)
ミドル級 マーヴィン・ハグラ―(アメリカ)
スーパーミドル級 ジョー・カルザゲ(イギリス)
ライトヘビー級 ロイ・ジョーンズ・ジュニア(アメリカ)
クルーザー級 イヴェンダー・ホリフィールド(アメリカ)
ヘビー級 マイク・タイソン(アメリカ)
如実に私の好みを反映していますね。単なるブルファイターは一人もいません。攻防一体の高いテクニックこそボクシングが芸術たる所以と考えるからです。反面高度なディフェンス力があっても、ポイント稼ぎに徹して倒しに行かない選手は評価しません。芸術であると同時にファイトでもあるからです。ミゲル・カントやパーネル・ウィテカーはその点で選外です。
結果的に日本人が二人入りました! 具志堅選手についてはウンベルト・ゴンザレスとマイケル・カルバハルの上に置いて良いものか悩みました。3度対戦した両者は初戦でカルバハルが歴史に残る鮮烈な逆転KOで制しましたが、その後は打ち合いに応じては不利とゴンザレスがアウトボクシングに徹して判定勝ちしました。対カルバハルではスピードとテクニックを生かして捌けたと思うのですが、ゴンザレスにはどうでしょう? 接戦になったのは間違いないですね。ゴンザレスもパンチはありますし、カルバハルはそれ以上の破壊力ですからラッキーパンチ一発で終わってしまう可能性もありますが、勝算という面で考えるとカルバハルのほうが与し易いでしょう。倒したカルバハルと躱したゴンザレスですから強さではカルバハルが上と思うので、そのカルバハルに勝てる可能性がゴンザレスより高いだろうという想像から導き出した結果です。
大場選手は不慮の事故死がなかったらどうなっていたでしょう? 減量苦から階級を上げる予定だったと言われていますが、ルーベン・オリヴァレスがフェザー級に転向した時期と重なるのでバンタム級に傑出した選手はおらず、二階級制覇はできたと思います。また彼の不思議なところはどんな相手と戦ってもスリリングな激闘になるところですね。その点ではホリフィールドに似ています。アンダードッグとされると並外れた精神力で覆し、格下相手だと何故か合わせたようにもつれて圧勝とはいかない… もしバンタム級で長期政権を築ければ「Zボーイズ」サラテかアルフォンソ・サモラのどちらかを迎え撃つことになったかもしれません。これは垂涎ものですよね。見たかったなあ…
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