歴代アメリカ大統領ベスト10
エイブラハム・リンカーン、ジョージ・ワシントン、フランクリン・ルーズヴェルトの3人は確かに偉大ですが、他にも傑出した大統領はいました。今回は私見による歴代アメリカ大統領ベスト10を挙げてみます。
1 エイブラハム・リンカーン 16代・共和党
2 ロナルド・レーガン 40代・共和党
3 ジェイムス・ポーク 11代・民主党
4 ジョージ・ワシントン 初代・無所属
5 フランクリン・ルーズヴェルト 32代・民主党
6 トーマス・ジェファーソン 3代・民主共和党
7 ハリー・トルーマン 33代・民主党
8 ウィリアム・マッキンリー 25代・共和党
9 セオドア・ルーズヴェルト 26代・共和党
10 ウッドロー・ウィルソン 28代・民主党
レーガンについて私は当初懐疑的に見ていました。カリフォルニア州知事を経験しているとはいえ俳優上がりに何ができるのかと… しかし結果的には良い意味で裏切ってくれました。確かに物議を醸す軽率な発言などはありましたが、レーガノミクスによってスタグフレーションに苦しんでいた経済を立て直して「強いアメリカ」を復活させた手腕は見事で、アメリカが大好きだった私は非常に喜ばしく思ったものです。また国防費を大幅に増やしてソ連に圧力をかけ、対抗せざるを得なかったソ連の財政を逼迫せしめたことが冷戦終結への引き金になったのですから、その功績は多大だと考えます。
ポークは日本での知名度こそ低いですが、その確固たる信念と職務に対する真摯な姿勢に感銘を受けます。イギリスとのオレゴン境界紛争を解決し、テキサスを併合する傍らメキシコとの米墨戦争に勝利して合衆国の領土をほぼ倍増させることに成功する一方、ウォーカー関税を成立させて租税収入を大きく増加させました。また一期のみ務める決意のもと精力的に職務を果たした結果健康を損ね、離職後わずか103日で病死してしまうのです。現代でも大統領就任後、見る見るうちに髪が白くなってしまうケースがありますね。ビル・クリントン然りバラク・オバマ然り、日本では小泉純一郎元首相がそうでした。国の舵を取る重圧と想像を絶する心労が窺い知れますが、ポークの場合まさに国の為に命を削ったと言えるでしょう。
もう一人私が挙げたいのがトルーマンです。原爆投下を命じたことで日本では評判が悪いですが、私は高く評価しています。容共的だったルーズヴェルトの外交方針を転換してソ連との対決姿勢を鮮明にしたこと、朝鮮戦争の拡大をもくろみ原爆使用の許可を求めるダグラス・マッカーサー元帥を解任した決断です。確かに「中国の喪失」は痛かったですが、もしこの件に責任があるとするならばルーズヴェルト政権に負わすべきものであり、彼にできることは何もなかったと思います。私は原爆投下を肯定する気は毛頭ありませんが、仮にそれなくして太平洋戦争が終結していても、いずれどこかで使用されたはずで、それは恐らく朝鮮戦争だったでしょう。核兵器の使用が人類に破滅をもたらすものであることを科学者はスペックだけで理解するでしょうが、一般人には分かりません。膠着する戦況打開のために莫大な予算を投じて開発した新兵器を何故使わないという世論の圧力もかかるはずです。その使用がもたらす危険をどれほど説いても実際の惨禍を目の当たりにしない限り、説得力を持たなかったと考えます。ソ連は約一年前に初の原爆実験に成功したばかりですから、この時点では保有数に大きな差があるはずで、アメリカが使用しても即座に報復するとは思えませんが、それでも日進月歩に威力を増す原爆の破壊力は広島・長崎の比ではなく、後世に深刻な影響を及ぼしたでしょう。
結果的には「中国の喪失」とマッカーサー解任が彼の政治生命を断ったとも言えますが、それと引き換えても余りある英断だったと思います。
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