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黒人初のミス・アメリカ

9月17日はヴァネッサ・ウィリアムスの誕生日です。後に歌手・女優として活躍する彼女は、黒人初のミス・アメリカでもあります。このニュースは当時日本でも大きく報道されました。その頃の私は黒人女性にブルーの瞳の持ち主はいないと思い込んでいたので、彼女の輝くばかりに澄んだブルーの大きな瞳が強烈な印象を残しました。もちろん他にもいたのであろうとは思いますが、一目でそれとわかるほど際立っていたのは彼女だけだったのです。以来「ヴァネッサ・ウィリアムス」という名前を頭の片隅に留め置いて、どんな形で再会できるか楽しみにしていました。

ところが、その機会は思わぬ形で訪れました。彼女のヌード写真が『ペントハウス』誌にすっぱ抜かれたのです。私は迷わず買いましたが、正直なところ綺麗に撮れているとは思えずがっかりした記憶があります。無名時代の撮影なのでカメラマンの腕に問題があったのかもしれませんが、モノクロであることから当然瞳の美しさがクローズアップされることもなく、彼女の魅力を引き出していたとは到底思えないものでした。結局これが原因でミス・アメリカを返上することになります。輝かしい未来が待っていたかもしれないキャリアを、こんな写真のために台無しにするとはもったいないと残念に感じたことを覚えています。因みにこのヌード写真は本人に無断で掲載されたことが明らかになって後年名誉は回復されてはいます。

これで彼女のキャリアは終わったものと考えていた私は、数年後また驚かされることになりました。歌手デビューです。歌の才能があるとは知らなかった私は同姓同名の別人かと疑いましたが『ライト・スタッフ』のジャケットに載っていたのは紛れもなく、あのヴァネッサ・ウィリアムスでした。感慨深いものがありましたねえ。

もちろん歌唱力は高いですが、やはりホイットニー・ヒューストンクラスと比べてしまうと平凡と言わざるを得ません。また、かつてのスキャンダルが逆に追い風になった側面もあるかもしれませんが、それでもスマッシュヒットとなる作品に恵まれたということは彼女は「持っていた」のでしょうね。日本でもシオノギ製薬「セデス」のCMで広く知られた「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」ですね。個人的には「ドリーミン」のほうが好きですが…

順調にキャリアを重ねて女優業にも進出した彼女に、もしヌード写真のスキャンダルがなかったとしたら、これほど成功したかどうかわかりません。しかし逆境にめげない強い意志こそが偶然を必然に変えるカギであり、成功者にとって必須ということを教えてくれているような気がします。

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音楽

Posted by hiro