ミスター・ヴァーサタイル
10月21日は私が敬愛するギタリスト、スティーヴ・ルカサーの誕生日です。私がギターを始めたきっかけが、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」ビリー・ジョエルの「ストレンジャー」ボストンの「ドント・ルック・バック」あたりのロック・ポップ系だったことから、ペンタトニック主体のブルース・ロックスタイルから入ったのですが、初めてTOTOのデビューアルバムを聴いた時にはブッ飛びました。明らかにロック・ギターなのですが非常に洗練されていてクール、小綺麗なのにドライブ感に満ち溢れていて新鮮でした。「ユー・アー・ザ・フラワー」のソロなんて、最初はどうやってるのか全然わからなかったなあ… 彼のプレイに接したおかげでジャズ・フュージョン寄りのアプローチに興味が深まり、ロック・ポップ系サウンドの場合はルカサー、ジャズ・フュージョン系サウンドの場合はロベン・フォードを手本にするスタイルに変化していったのです。
ルカサーの凄いところは何をやらせても超絶に巧いことですよね。さすがにスタジオ・ミュージシャンとしても超売れっ子だったのが頷けます。この点ではマイケル・ランド―も負けず劣らずですが、ルカサーの場合ギターソロに入ると「あっ、これルカサーだ」と判ってしまう彼ならではの節回しなんですよ。実際に後で調べてみたら、やっぱりそうだったということが少なからずありました。つまり今風に言うと「キャラが立っている」わけです。ランドーはそこまでではなく、寧ろ黒子に徹して自己のアイデンティティーを消せてしまう。両巨頭と言える二人でプレイスタイルも極めて近いですが、持ち味は全く違うところが面白いですね。勿論どちらが上という問題ではありません。
当時はネットがないので、とにかく耳コピするしかなかった。随分カセットテープを酷使したものです。レコードを何とかしてスロー再生しようと手で回してみたりとか… 涙ぐましい努力です。あとは『ヤング・ギター』や『ギター・マガジン』といった専門誌ですね。タブ譜は手っ取り早く弾けるようになるには便利ですが、ずっと頼り続けると必ず壁にブチ当たるので、早めに卒業して五線譜を読めるようにしたほうが良いです。コードとスケールの関連性への理解が早まりますから結果的に耳コピも楽になり、そのうちギターを手に取らずともどうやっているのかが大体わかるようになります。
個人的には例えばギターソロを耳コピする場合、頭から一音ずつ拾っていくのではなく、ある程度口ずさめるくらい覚えるのがおすすめです。小節には拘らず自分なりにいくつかのパートに区切って覚え、わかるところだけ先に弾けるようにする。それでポジションがある程度つかめれば、速くて難しい部分を後回しにして音を拾っていくのも楽になるはずです。人並みの音感さえあれば大丈夫ですよ。
私も友人のギター選びに付き合ったり、教えてくれと頼まれたりしましたが、挫折するのは殆ど最初のうちですね。指が動かない、コードを押さえられない段階です。そこを乗り越えるには根気は勿論のこと、好きであるのが必須ですね。「好きこそものの上手」というやつです。誰でも挫けずに練習しさえすれば「私、ギター弾けます!」と堂々と言えるくらいにはなりますよ。そこからは持って生まれた才能や情熱、チャンスをものにする運などが関わるので、取り敢えず先に進んでみないことにはわかりません。確かなのは諦めたら終わりということです。
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