最も美しいスイング
ケン・グリフィー・ジュニアはまた、そのスイングの美しさに定評がありました。リラックスした構えから繰り出されるスイングは決して膂力に物を言わせたものではなく、柔軟かつ強靭な下半身が主導する軸回転を生かしたしなやかで華麗なもので、まるでボールをバットに乗せて運ぶかのような印象があります。長距離打者としては細身ながらステロイドまみれのマッチョたちと互角に張り合うことができたのは、スラッガーとしての天賦の才が一頭地を抜いていたということでしょう。そこで今回は、スイングの美しさが記憶に残る選手を列挙してみます。
１ ケン・グリフィー・ジュニア（マリナーズ）
２ レジー・スミス（ドジャース）
３ エディー・マレー（オリオールズ）
４ ダリル・ストロベリー（メッツ）
５ アルバート・プホルス（カーディナルス）
６ ボー・ジャクソン（ロイヤルズ）
７ カル・リプケン（オリオールズ）
８ ティノ・マルティネス（ヤンキース）
９ エリック・デイヴィス（レッズ）
１０ ウィリー・スタージェル（パイレーツ）
皆素晴らしいスイングの持ち主ですが、スピードという点で特筆すべきはジャクソンでしょう。空気を切り裂く音が画面越しに伝わってくるかのような凄まじさで、空振りにスタンドがどよめくシーンが多々ありました。短い選手生命でしたが残した伝説は彼にしか成し得ないようなものばかりで、当時を知る人間にとってはアスリートとして別格です。
また、フォロースルーが大きい選手がほとんどですね。中でもティノの右手首を返さない独特のフォロースルーは強く印象に残っています。
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