イングランド代表復活の日
1966年7月30日、サッカーの母国イングランドが自国開催のW杯で西ドイツを破って初優勝しました。ところがその後は低迷を続けて優勝はおろか決勝進出さえ果たしていません。現在プレミアリーグが世界最高峰とされているにも拘わらずです。これにはそうであるが故に世界のスター選手が流入し、自国の若手選手が成長する機会を失わせているためという見方が大勢ですが、本当にそうでしょうか?
70年代のイングランドサッカーは激しい当たりが持ち味であるものの、戦術的にはロングボールをひたすらゴール前に蹴り込むという大味なものでした。それでもクラブレベルではリヴァプールやノッティンガム・フォレストが欧州チャンピオンズカップを制するなどトップに君臨していながら、代表チームは72、76年と連続してW杯出場を逃すなど苦戦していたのです。これはこのようなスタイルでは代表レベル、特に技巧に優れた南米や南欧のチームや、より洗練され組織化された西ドイツには太刀打ちできない時代遅れのものだったと言えます。
そんなイングランドのサッカーも80年代に入ると徐々に変化します。基本的にはカウンターアタックで、時間をかけずにボールへのタッチを極力少なくしての速攻です。それはゲイリー・リネカーという俊敏なストライカーを得た86年メキシコW杯である程度結実しましたがベスト8止まりでした。以来イングランドのサッカーは基本的に代り映えしないように感じます。
私としては66年自国開催での優勝は、地元の利と運がもたらしたものと考えています。確かに当時のイングランドにはジミー・グリーヴス、ボビー・チャールトン、ゴードン・バンクスという押しも押されぬトッププレイヤーがいましたが、果たして当時の世界最強だったかというと疑問です。
ではイングランドの復活には何が必要か? それは傑出した才能の出現でしょう。弱小国だったオランダはヨハン・クライフの登場に引っ張られるように次々と新星が現れて、サッカー大国になりました。低迷期が長かったフランスもミッシェル・プラティニという類稀な才能とともに復活を遂げ、ジネディーヌ・ジダンによって悲願のW杯制覇を成し遂げました。つまりケヴィン・キーガンやリネカー、デイヴィッド・ベッカム、ウェイン・ルーニーでは役者不足だったということです。私はマイケル・オーウェンこそがクライフやプラティニに匹敵するカリスマの持ち主であり、彼の現役中にW杯を獲ると信じていましたが、そうはなりませんでした。いつかオーウェン以上の才能が現れ、連鎖的にさらなる才能を輩出する好循環をもたらしてイングランド代表がスター選手の宝庫になる時まで待たなければならないかもしれません。
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